第一高等学校・東京大学弁論部
東京大学第一高等学校弁論部の部会では主に弁論・ディベート・研究局という3つの活動を行っています。週2回の部会では毎回弁論とディベートを行い、双方がお互いの活動に参加することで相乗効果を期待しています。我が部が「弁論部」と掲げていながら弁論単体ではなくディベートを行うのには理由があります。というのも、弁論もディベートも両方他人を「説得する」という点において共通だと考えているからです。 人を説得することは難しいことです。ただ自分が「ここがいいからこれは素晴らしい」「とにかくいいんだよ!」などと言っても相手は全くその魅力には気付いてくれません。「これこれこういう論理があって、これをこうするとこうなるからこれは素晴らしいものなんだよ」「こんなにも好きな人がいるんだよ、全国的に実は支持されてるんだよ」などと、しっかりとした理論や資料を示して初めて相手を納得させられるのです。弁論においては10分という限られた時間でこれを行うことが試されてます。ディベートではある議題について賛否両方の立場からの視点が要求されます。自分が何かを主張するとき、反対に立つ相手側の主張を理解することで初めて相手を説得することができると東大弁論部は考えています。この点において弁論とディベートは相容れるものではないでしょうか。 |
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拓殖大学 雄弁会
拓殖大学雄弁会は本学創立五年後の明治三十八年に創立された、歴史と伝統を誇る研究会です。語り合いの空間を大切にして、仲間とともに「如何にして自分の考えを伝えるか」を理念として日々活動に励んでおります。日々の活動は、会員同士による研究発表を中心としており、その手段は特に限定しておりません。論文形式での発表や、弁論形式の発表など、すべて会員の意志を尊重し決定しております。雄弁会は新歓の時期において「伝える」ことの基礎を学び、上級生と新入生との親睦を深め、各々の入部の目的を達成するための計画を練っていきます。 前期においては、まず自分の考えに論理性を付けるためにディベートを中心に活動を進めます。そしてディベートを通じて得た論理性を生かし各々の弁論作成に移行します。夏合宿では、それまでの活動を整理し、自分がどの程度スキルアップしたかを部内大会等で確認作業を行います。具体的には、いかにして相手を説得するか、質問に対してどう答えるかなど、実践的な事を学んでいきます。そして、後期に活発に開催される弁論大会に備えます。さらに、十月には我々が主催である、拓殖大学総長杯争奪全日本学生雄弁大会を行います。これは、活発な議論の空間を創造し、学生の啓発を促すためのものです。 いずれにしても、我々拓殖大学雄弁会は建学の精神たる「積極進取の気概とあらゆる民族から尊慕されるに値する教養と品格を具えた有為な人材の育成」に基づき、日々演練しております。 |
中央大学辞達学会
20世紀 の幕開けである明治34年、東京法学院時代の中大に、花井卓蔵教授を中心として学生有志の力で「生徒練弁会」が、「実力の養成と共に弁論の練習は又欠くべ からざる所なるを以つて」組織された。その後明治42年に至り、この練弁会の名称は、花井教授の提案によつて、「辞達学会」と改称され、初代会長に奥田義 人(後に中大学長、司法大臣)、副会長に花井卓蔵の両教授が推戴され、その活動は一段と活発化したのである。 花井教授は「雄弁は術に非ずして、人格の発露である。故に雄弁道を歩まんとするものは、この道を通じて、人格の養成をなさねばならない。」とし、 単に雄弁のみに終始せず、『論語』衛霊公第十五「子曰辞達而己矣」の精神を旨として空虚な美辞麗句や徒らなる強弁漫語を戒め、自己の所信を堂々と表明し、 その意を正しく人に達すべきものであると説かれ、此処に本会会名の出典を求められたのである。かくして、辞達学会は、雄弁の研鎖を通じて人格を練磨する修 養団体であり、人格陶治の道場としての根本精神の礎定を見るに至ったのである。 以来、辞達学会は、大正15年『学報』第6号に「我が中央大学が各大学に対して最も誇り得るのは、何といっても辞達学会である云々」と言 わしむ程にその隆盛をきわめ、“中大に辞達学会あり”と学内外にその名をおかせたのである。まさに、辞達マンの発する獅子吼の雄叫びは、神田ニコライ堂に 木霊し、学生弁論界を凌駕したのである。時代は大正から激動の昭和ヘと移り、辞達学会は創設者花井卓蔵博士の急逝、言論統制の学生弁論界への波及、安保条 約に対する学生運動の激化など幾多の苦難に直面した。しかしながら、その都度局面を打開しつつ「辞達」の精神を変えることなく受け継ぎ、それと共に政界、 法曹界をはじめ、社会のあらゆる分野に多くの俊英を輩出してきた。 昭和54年、中央大学の多摩移転と共に、我等辞達学会も駿河台を後にした。しかし、その歴史と伝統は多摩の地にも受け継がれ、日々辞達マン・ウー マンの獅子吼は多摩丘陵の草の緑に木霊しているのである。現役会員は、弁論・ディベート・討論等の活動を通じて人格の陶冶、社会文化への貢献を目指し、日 夜邁進している次第である。 |
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